「正しいオナニーの仕方」を泌尿器科医に聞いてきた【足ピン・強グリップオナニーはダメ!】

STANDで前回好評だった、射精の回数は多いほうが健康になる?!精子を元気にする方法を小堀善友先生に聞いてみたで語られた、危険なオナニーについて。
記事中で小堀先生は次のように語っていました。

小堀先生:「ただ、床オナなどの特殊なオナニーは絶対ダメですよ。特殊なオナニーをしすぎると、膣内では射精できなくなる『膣内射精障害』になる恐れがあり、これも不妊の原因のひとつです。オナニーは普通に手で上下にやることをオススメします」

これを聞いて、STAND編集部は思いました。「小堀先生に、もっと男のオナニーについて聞いてみたい!」 と。
というわけで、前回の記事で触れられなかった「男のオナニーに対する疑問」を小堀善友先生に聞いてまいりました。
果たして、床オナの他に危険なオナニーはあるのか…。更に、早漏向けオナニー「ストップアンドスタート法」とはなんなのでしょうか…?

自分のオナニー方法が合っているのかわからない男性、これからオナニーをし始める学生のみなさんは必見です。

▼目次

    1. 「足ピンオナニー」と「強グリップオナニー」は気をつけろ!

ポイント:女性の膣と、かけ離れてはいけない。

    1. マニアックなAVの見すぎは要注意

ポイント:つまり、ラーメンが好きだからといって、ラーメンばかり食べていたら病気になってしまう。

    1. 早漏には「ストップアンドスタート法」が効く!?

ポイント:何回か『寸止め』しながらオナニーをすることで…?

早漏・遅漏改善におすすめのTENGA5選
ポイント:使い切りタイプか繰り返し使えるタイプか、締め付けがハードかソフトかで選ぶ必要があります。

    1. 正しいオナニーは、「健康」の第一歩である

ポイント:正しいオナニーをすることで、将来の射精障害の可能性を減らすことができる!

床オナの他に危険なオナニーは「足ピンオナニー」と「強グリップオナニー」だ!


小堀善友先生 泌尿器科医。金沢大学医学部卒業。2009年より獨協医科大学越谷病院泌尿器科に勤務。2014年より米国イリノイ大学シカゴ校へ留学し、スマートフォン精液検査の研究を行った。専門は男性不妊(特に射精障害)、性感染症。読売新聞の医療サイト「ヨミドクター」にてコラム連載中。著書に『妊活カップルのためのオトコ学』(2014年・メディカルトリビューン)がある。
− 早速ですが、危険なオナニーの代表格として床オナと言われていましたが、そもそも「なぜ危険」なのでしょうか?
小堀先生:「床オナは、勃起しないまま陰茎を壁や布団に押し付けて射精する方法です。本来の『勃起して陰茎を上下に刺激する方法で射精する方法』と全く異なるため、女性の膣の中で射精できなくなってしまう危険性があるんです。床オナの行為自体が、女性の膣とは全く違う状況であるのと、勃起しないという点がダメなんです
− 確かに、女性の膣とは全く違いますね…!他にも、危険なオナニー方法ってあるんですか? 自分の手ではない違う感覚を味わうことができる床オナは、快感が癖になってしまいついやってしまう人も多いと思います。他にも、危険なオナニー方法ってあるんですか?
小堀先生:「足をピーンと伸ばしたままでないと射精できない「足ピンオナニー」や、強く握りすぎてしまう「強グリップオナニー」も膣内射精障害の原因となってしまうため危険ですね」
仰向けになり足を上げて、足先をピンと伸ばした状態で射精する「足ピンオナニー」。名前は聞いたことがあります。「強グリップオナニー」も普通のオナニーしていたのが、刺激を求めすぎるあまり、だんだんと強く握るようになりオナニーしてしまうのだと思います。オナニーの方法によって膣内射精障害の原因になることは知っておくべきことですよね。
小堀先生:「いわゆる、『特殊な姿勢でないと射精できない』という状態が続くと、セックスをするときに射精しづらくなるということがあります。足ピンオナニーはどのくらいの人が行っているかはわかりませんが、私はそれが原因で射精しづらいという人を何人も見たことがあります」
− オナニーというのはプライベートなことなので、人と話していても話題になることが少ないです。なので間違ったオナニー方法を一度覚えてしまったら、ずっと間違った方法でずっとオナニーをし続けてしまうんだと思います。ちなみに、今まで聞いた中で一番変わったオナニーでどのようなものがありましたか?
小堀先生:「オナニーではないのですが、朝起きて床をゴロゴロ転がるのが好きな男子高校生がいました。ある日、彼は勃起したまま転がったため、陰茎が「ボキッ」と音を立てて折れてしまい、陰茎が真っ黒に内出血をしてしまいました。『陰茎折症』という状態です。そのため、緊急手術を行い、術後は元どおりに戻りました。その後、彼は『ゴロゴロ禁止』となったのは言うまでもありません」
− Oh…。考えるだけで「シュン」とします…。通常は柔らかく、勃起時に堅くなる陰茎が折れることってあるんですね…。しかも、「陰茎折症」という名前までついているというから驚きです。それだけ陰茎折症になる人が多いのだと思います。間違ったオナニーに限らず、普通のパートナーとのセックスでも陰茎折症になる可能性はあるということです。男性諸君は全員知っておくべき知識だと思います。

おかずは「まんべんなく食べること」が一番


− オナニーの時間については、長いとダメとか短いとダメとかありますか?早く済ます人もいれば、ゆっくり時間をかけてオナニーする人もいると思いますが…。
小堀先生:「これは、答えがないと思います。ただ、『エロ動画の見過ぎで、動画を見ないと射精できない』なんて人もいるので注意が必要ですね」
− そのような男性は何人も見てきた気がします。昔はアダルトビデオもジャンルが少なく、観ようと思ってもレンタルや購入するのがひと苦労でした。でも、今はインターネットで簡単に検索でき、自分の好みのジャンルのアダルトビデオを無料で観ることができます。オススメの「おかず」ってあるんでしょうか?
小堀先生:「食べ物と一緒で、ベストのおかずがあるわけでもないと思います。ただ、ラーメンが好きだからといって、ラーメンばかり食べていたら病気になってしまうように、あまりにもマニアックな動画ばかり見つづけるのも問題だと思います。日本はAV先進国であり、マニアックな動画でもかなりハイレベルな動画が見つかりますから。そんなものばかりおかずにしていると、いざセックスしようという時に射精できなくなる可能性がありますね。なので、強いて言えばある程度のものをまんべんなく見ることがオススメですね
- 食べ物の例えがとてもわかりやすいです。たしかに、自分の好みの食べ物ばかり食べていると栄養が偏り不健康になってしまいます。それと同じように、アダルトビデオを観る際もマニアックなものばかり観ていると慣れてしまい、性癖も偏ってしまうように思います。アダルトビデオも好き嫌いせずまんべんなく観ることが重要なんですね!

早漏男子は「ストップアンドスタート法」で改善すべし


– 前回、TENGAを使って「膣内射精障害」を治したとお伺いしましたが、具体的にはどのようにして治療したのでしょうか?
小堀先生:「典型的なパターンは、床オナでしか射精できない人にTENGAを使ってもらい、マスターベーション方法を正しい方法に変えていきました。TENGAは、硬さも種類があるため、まずは刺激の強い硬いタイプから、ノーマル、ソフトへと徐々に弱いものへ脱感作していくことで、射精しやすくなるように訓練したんです
− なるほど。非常に合理的な…!締め付けの強いハードタイプから、弱いソフトタイプまで、人の好みに合ったさまざまなタイプのTENGAが現在発売されています。それを利用して治療していくという発想はまったくありませんでした!
小堀先生:「私はこれを『射精リハビリテーション』と呼びます。テンガは➀一定以上の強さで握ることができない➁上下運動しか動かすことができない➂硬さが選べる➃清潔である。という利点があり、『射精リハ』には最適であると考えています」
− 射精リハにはTENGA。たしかに医学的に検証してTENGAが作られているわけですから、安心して健康的なオナニーをすることができます。では、早漏や遅漏に適したオナニー法ってあるんですか?
小堀先生:「早漏向けにはストップアンドスタート法という方法があります。わかりやすく言えば何回か『寸止め』しながらオナニーをする方法ですね。ただし、勘違いしてはいけないのが、早漏の反対が遅漏ではなく、全く別の状態だということです
− んんん!?ストップアンドスタート法というのがあるんですね!何回も寸止めするというのは健康的にも悪そうな気がしていたので意外です。早漏の反対は遅漏ではないとはどういうことでしょう
小堀先生:「私は、早漏は脳の病気、遅漏は生活習慣病と考えます。早漏には、とある種類の抗鬱薬や痛み止めが効果的なので、専門医に受診することを勧めます。遅漏の原因の半分は『若い頃からマスターベーション方法が間違っていた』という生活習慣病です。そのため、治療には前述の『射精リハ』を行うことをお勧めします」
− なるほど!早漏か遅漏かで、治療方法が違ってくるんですね。早漏は専門家と一緒に治療していかなければなりませんが、遅漏の場合「射精リハ」で自分で治療できる気がします。しっかり治療すれば遅漏も早漏も治すことができるんですね!

早漏・遅漏改善におすすめのTENGA5選

ここからは早漏・遅漏改善におすすめのTENGAをご紹介させていただきます。
TENGAを1度も使ったことがないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.TENGA ORIGINAL VACUUM CUP
TENGAといえばこの色と形を思い出す人が多いのではないでしょうか?そのくらい認知されているスタンダードタイプ。ソフトタイプだと弱すぎる、ハードタイプだと強すぎるということがありえます。初心者の方はまずスタンダードタイプでTENGAを試してみることをおすすめします。

2.EGG SPIDER

締め付けがいらなくて、ちょっと刺激がほしいという方にはたまご型のEGG TENGAシリーズがおすすめ。普通のTENGAよりも低価格なのが魅力的です。バリエーションが豊富なので、いろんなタイプを試してみるといいかもしれません。

.POCKET TENGA WAVE LINE

仕事で出張した時や旅行した時、旅先でちょっと抜きたいという場合、普通のTENGAだと大きいので持っていくのが大変です。そこでポケットに収納できるPOCKET TENGAシリーズがおすすめ。いつでもどこでもオナニーができます。

4.PREMIUM TENGA ORIGINAL VACUUM CUP SOFT

普通のTENGAでは物足りなくなってきたという方には、ワンランク上のPREMIUM TENGAシリーズがおすすめです。選びぬかれた素材と、快感を徹底的に求め詰め込んだ技術は1度だけでも経験しておいて損はなさそうです。

5.TENGA FLIP WARMER

こちらはオナホールではなくて、オナホールを温める機械になります。TENGAを1度使った方には分かると思いますが、入れた瞬間最初は冷たくてヒヤッとします。冬の時期は特に冷たく感じます。あのヒヤッとする感覚が苦手だという方はこちらの商品がおすすめです。

正しいオナニーは、「健康」の第一歩である

− 最後に、正しいオナニー法とをそれをすることでどのようなメリットが得られるのか教えて下さい!
小堀先生:「具体的には、リラックスした姿勢で、手を上下に、あまり力を入れずに陰茎を刺激することです。正しいオナニーをすることで、将来の射精障害の可能性を減らすことができると考えます。また、定期的に射精をすることで、健康的な精子を作り出すことができます。射精回数が多い方が、前立腺癌の可能性が低くなるという報告もありました。また、我々の施設で調査したところ、マスターベーションをするときでも男性ホルモンが一時的に上がることがわかりました。男性ホルモンも高い方が健康に良いので、マスターベーション自体も健康に良い可能性があると信じています」
小堀先生の言うとおり、オナニーというのは基本的に「健康的な身体・精子」を育むのに必要なことです前立腺がんの予防にもなるので、たくさんオナニーしたほうが良いということも医学的に明らかになってきています。とはいえ、1人でやるもの。ある程度の自由度があるのもまた事実です。1人でやるがゆえに、誰からも間違いを指摘されないまま間違ったオナニー方法でし続けてしまい、膣内射精障害になる可能性があります。そもそも男性器とは、パートナーとのコミュニケーションや子どもをつくるためのもの。
だからこそ、「正しいやり方」を実践しないと「2人で行う」セックスをするときに深刻な事態が起こり兼ねません。もし変わったオナニーばかりをしている男性たちはこの機会に一念発起して、「ノーマルオナニー」にシフトしてみてください!