顔に合うヒゲの整え方と形とは!?シェービングのプロ、現役理容師に聞いてきた

ヒゲはダンディな男性には欠かせない要素のひとつ。しかし、生やし方を一歩間違えると「不潔なオトコ」の烙印が押されてしまう、リスクのあるオシャレでもあります。
本メディアでお伝えしたイケメンよりも地味メンがモテる!?20代後半〜30代の女性100人に聞く、実際モテる男とはの記事中でも、女性が男性に求めるものとして「清潔感」が挙げられる今の世の中。
そこで今回は、月間数百人の男性のヒゲを整えている現役理容師・霜鳥大志さんに顔型別の似合うヒゲの整え方と、顎と鼻下しか生えない人に向けた整え方をお聞きしてきました

霜鳥大志。浜松町にある「THE TRADITIONAL」オーナー。
月間400名以上のメンズヘアスタイルを手がけ、骨格に合わせたカット技術に定評があるメンズカットのスペシャリスト。薄毛対策などの知識も豊富。顔型に合わせたヘアスタイルにも詳しい。

顔の形に合った髭を作るには「顔を三分割」するべし


− カッコイイヒゲを作るにあたって、まず大事なことはなんなのでしょうか?
霜鳥:「長さや形ももちろんですが、まずカッコイイヒゲにはそれなりに理由があります。それが、顔とのバランスです」

− 顔とのバランスというのは具体的にはどのようなことなのでしょうか?
霜鳥:「一番いい顔のバランスというのは、顔を横に三分割にした時に、『生え際から眉頭の下』、『眉頭の下から鼻の下』、『鼻の下から顎の先端』が1:1:1になるということです。これを前提にヒゲを組み立てていきます」

− そんな細かい部分を気にしながらヒゲを作るんですか…。
霜鳥:「そうですね。だからこそ、顎ヒゲはこのバランスを補正するものだという認識が大事です。例えば逆三角形の形の顔だとして、顎ヒゲを長く生やしてしまうと更に顔が長く見えてしまうのでよくありません。この場合、顎ヒゲを横幅を広めにとることで顔の形が補正できるんです。その上で、清潔感を出すために気をつけておきたいことがあります」

− 清潔感を出すために気をつけたいこととは?
霜鳥:「きちんとヒゲの長さを整えることです。顎ヒゲの長さを整えずにただ伸ばしているだけというのは、想像どおり清潔感がないですよね。また、鼻下のヒゲが伸びて唇のラインにかかるのもNGです。同じ鼻下では、ヒゲの範囲を口角より下に広げるのはよくありません。清潔感はもちろんのこと、不機嫌そうになってしまいます。この場合は、口角から斜め45度でスパッと剃ってしまったほうがいいんですよ」

− なるほど。確かに、伸ばしっぱなしは清潔感がなくなってしまいますよね。
霜鳥:「鼻下については、たとえば顔型が四角の人は四角のほうがいいし、逆三角形の人は逆三角形のほうがいいんです。要は顔の形と同様がいいんです

− 顔の形と一緒がいいですか!そもそもなんですが、ヒゲの形って何種類あるんですか?
霜鳥:「ヒゲの形は数多く、組み合わせ次第でパターンは無数にあります。なので、今回は混乱しないように顔型に合うクラシックなヒゲの形だけ紹介していきますね。紹介するのは3種類です!」

カストロに合う顔型は丸顔と四角顔!

カストロ

霜鳥:「まずカストロという形からです。カストロは、もみあげからを顎ヒゲつなげて、鼻下と顎ヒゲも縦につなげる形ですね」

− これがカストロという名前なんですか。これって結構男性なら誰もが憧れるヒゲの形だと思います。
霜鳥:「そうですね。カストロが似合う顔型は、丸顔と四角顔です!」

− なぜ、丸顔と四角にカストロが似合うんですか?
霜鳥:「まず丸顔から説明しますね。丸顔は、顔の面積が広い印象になるので、それを隠すということと、顔を囲むヒゲのデザインなので顔の形をカバーできるんです。これがいい点ですね」

− なるほど。ちなみに、顎と鼻下しか生えない丸顔の人はどんな形がいいのでしょうか?
霜鳥:「カストロのような形で顔を囲めないのであれば、基本的に生やさないほうがいいです。顎だけを生やすことで、顔の面積が目立ってまるくみえてしまいますからね。なので、丸顔の理想のヒゲはカストロ、顎と鼻下しか生えない場合は生やさないことが一番です!」

カストロ・正面

− 四角顔はどうでしょうか?
霜鳥:「四角顔とベース型はヘアスタイルだと一緒に捉えられてしまう事も多いのですが、ヒゲに関しては違います。というのも、ベースに比べてアゴが短いのが四角顔の特徴だからです」

− 確かに「四角」ですからね。
霜鳥:「はい。四角顔にカストロがいい理由は、エラの部分をカバーできるということがひとつ。もうひとつは『口の横の部分』をつなげると顎が長く見えるからなんです

− では四角で顎と鼻下しか髭が生えない人は…?
霜鳥:「結局、顎を長く見せたいので顎下のヒゲの範囲を狭くするのがいいですね!鼻下は、『鼻の下が長い人』は生やしたほうがいい。また、威厳のある雰囲気や、貫禄を出すようなイメージがあるので、見せたいイメージによって生やすかどうか決めた方が良いです」

カストロ・横

まとめると…
丸顔
・もみあげからきちんと生えるならカストロ。きちんと繋がられないのであれば、生やさないのが一番!
四角顔
・もみあげからきちんと生えるならカストロ。顎と鼻下しか生えないのであれば、顎下の髭の範囲を狭くすること。鼻下は人と比べて「長ければ」生やす。
ですね!!

ヴァンダイクが似合うのは、ホームベース型

ヴァンダイク

霜鳥:「次はヴァンダイクという形ですね。一見、カストロと似ていますが、顎のラインと鼻下を繋げないというのが、この形の特徴です」

− ヴァンダイクに合う顔型はなんでしょうか?
霜鳥:「ベース顔ですね!ベース顔は、エラが張っているので、顔が大きく見えがちです。なので、ヒゲで小顔に見せるということがポイントになります。そのため顔を囲むヴァンダイクがオススメなんです。ヴァンダイクの鼻下ない形をリンカニックと呼びますが、これもオススメです」

ヴァンダイク・正面

− エラを隠すことで小顔に見せると。
霜鳥:「ベース顔では、顎の骨の下は全部そって、顎の骨を底辺にして作ります。もみあげはグラデーションにして長さは頬骨の下のラインに合わせ、顎にむかって濃くしていくとエラが目立たないようになるんです。ちなみに、カストロもいいじゃないか!と思うでしょうが、縦のラインが入るとあごが長く見えますし、口を囲んでしまうと顎とエラが分断してしているように見えるため、少しエラが目立ってしまうという理由でヴァンダイクがオススメです」

− なるほど。では顎下と鼻下しか生えない人はどうすればいいんですか?
霜鳥:「鼻下は見せたいイメージによって変えるのが吉です。顎は狭く見せたいので、黒目の内側くらいの幅に設定して下さい。そして、頂点の高さが顎の3分の2くらいの形で、なだらかな三角形にします!」

ヴァンダイク・横

まとめると…
ホームベース型
・顎の骨を底辺としたヴァンダイクが似合う。生えない人は鼻下は生やさず、顎ヒゲは黒目を内側の範囲でなだらかな三角形に設定する。

アンカーが似合うのは面長と逆三角形!そして、卵型の顔型は…?

アンカー

霜鳥:「最後はアンカーという形です。これは、顎ともみあげを繋げずに、それぞれが独立している形です」

− 確かに今までの形と違い、つながっていないですね。
霜鳥:「これが似合うのは逆三角形と面長の顔型です。逆三角形と面長は、顔が縦に長いので幅があるように見せたいんですね。そのため、ヒゲの範囲を広く設定し、長さは短くして下さい。そうしないと更に顔が長く見えてしまうので!」

アンカー・正面

霜鳥:「逆三角形の場合、顎ヒゲは横幅を多く取ります。目安は、口角よりちょっと広いくらいですね。加えて、あまり高く山をつくらない形にして下さい。ちなみに、もみあげの形を外側の部分を長くした三角形にすることで、逆三角形の顔型の弱点である頬の面積を広く見せることができます」

アンカー・横

− 面長の方は?
霜鳥:「ほぼ逆三角形と変わりませんが、鼻下は生やさないほうがいいですね。顎下は逆三角形より横幅の範囲を少し狭くして、長さを短めにしましょう!」

まとめると…
逆三角形型
・顎ヒゲは山を作らないで横長に。もみあげは外側を長くした三角形にする。
面長
・鼻下を生やさずに、顎ヒゲは山を作らないで横長に。
− では最後に、卵型の顔型の人はなにが似合いますか?
霜鳥:「卵型は髪型同様、ヒゲもどのような形でも大丈夫です。但し、なんでもいいといっても清潔感が無くならないよう意識する事は忘れないで下さい!」

− 卵型は本当に最強ですね…!!本日はありがとうございました!

顔に合うヒゲの形と長さを意識して、いい男に!

今回は、数あるヒゲの形から3種類紹介していただきました。一見、どんな形でも「ヒゲはヒゲだ」と思いがちかもしれませんが、それぞれに似合う似合わないが確かに存在します。
自分は一体なにが似合うんだろうか…とお悩みの方はぜひ参考にしてみて下さい。そして、伸び放題のヒゲの人はきちんと長さを整えましょう!もし、どうしてもできない…という方は理容室に行ってみるのもいいかもしれません。美容室とは違い、顔そりがあるのでヒゲもカッコよくしてもらえますから!