セックスレスの時、女性はどんな気持ち?エッセイ漫画家ポレポレ美先生に聞いてみた

付き合いの長いカップルや夫婦の間で、時には別れや離婚の原因ともなってしまうセックスレス
一般的に、男性よりも女性の方が性欲が弱いというイメージが強いため、セックスレスで受けるダメージは男性の方が大きいと考えている方もいるのではないでしょうか。
しかし、今回お話を伺ったポレポレ美先生は、自身の経験を綴った漫画『今日も拒まれています 〜セックスレス・ハラスメント 嫁日記〜』の著者。20代〜30代の女性から支持を集めており、共感する読者も少なくありません。
つまり、セックスレスに悩んでいる女性は少なくないということ。
今回は、ポレポレ美先生に、セックスレスの時の心境や、打開するためにとった行動などをお聞きしました。

セックスレスを題材としたエッセイ漫画が大人気!ポレポレ美先生とは?


漫画家、イラストレーター。
無料漫画アプリ、Vコミで「今日も拒まれてます~セックスレスハラスメント嫁日記」を連載中。趣味は旅と掃除。

同棲を始めてから徐々に…?セックスレスのきっかけとは?

『今日も拒まれています 〜セックスレス・ハラスメント 嫁日記〜』第1話より

ー早速ですが、先生はどのような経緯でセックレスになってしまったのでしょうか?
「相手の男性とは、交際期間が9年、同棲期間が5年ほどと、長い付き合いでした。
同棲を皮切りに、1週間に1回だったのが2週間に1回になり、2週間に1回が3週間に…。気がつけば1ヶ月以上していないという状態になりました。
ある日突然レスになったというわけではなく、“気が付いたらしていないな”という自然な流れだったように思います。」
ー付き合いが長かったため、マンネリ化してしまったのかもしれないですね。
急にではなく、徐々に…ということなので、最初から深刻に悩んでいた訳ではないかと思います。セックスレス初期〜後期にかけて、心境はどのように変わっていきましたか?

「先ほどお話させていただいたように、同棲を始めてから徐々にセックスレスになっていきました
その後プロポーズをされ、“セックスレスなのに大丈夫かな?”という不安はありましたが、結婚前に勢いで1度セックスできてしまったこともあり、“すぐに解決するだろう”と楽観的に考えていました。」

セックスレス初期〜中期〜後期、それぞれに実践した改善策とは?

ーその後、結婚してからセックスレスが深刻化したと伺っていますが、改善するためにどのような行動をとったのでしょうか?
セックスレス初期〜中期〜後期に分けて教えていただきたいです。

「初めは、様々な種類のコースを集めた“セックスチケット”なるものを作ったり、“出張マッサージ屋!”と称して、アロマオイルセットを持ち歩き、精力アップの足つぼマッサージなどを試みました。
失敗してもお互いが暗いものにならないようなものを考えたんです。」

『今日も拒まれています 〜セックスレス・ハラスメント 嫁日記〜』第2話より

ーさすが先生、なかなかユニークですね!そして行動力がありますね。
結果はどうだったんでしょうか?

「惨敗でした(笑)だけど失敗続きでも“まだなんとかなる”という余裕はありました。
ここまでが、セックスレス初期ですね。
その後、中期は“したくなるようなムード作り”をメインに取り組むことにしました。」
ームード作り…とはどのようなことでしょう?
「非日常のロマンチックな雰囲気を演出しようとろうそくを灯したり、バラを散らしてみたりしましたが、引かれて終わりました…。
また、自分には全くない色気を出そうと、脱毛サロンに通ってみたり、下着やパジャマに気を遣ってみたりもしましたが、何をやっても効果もなく…。
夫の好きな女性芸能人のお面を作ってかぶってみたりもしましたが、ふざけていると思われ、空回りする一方でした。」
ー脱毛サロンやセクシーな下着・パジャマは色気アップはすごく良さそうですが…相手の男性は何を望んでいたのでしょうか?
“普段のポレちゃんが好き”と言われましたが、“でも普段の私が好きと言ってもしてくれない。じゃあどうしたらしてくれるの?”と悩む日々が続きました。この頃からレスの悩みも深刻になっていきました。」
ー確かに、自分なりに一生懸命考えて行った改善策が全てダメ…となってしまうともうどうして良いか分からなくなってしまいますね。
ここから、深刻なセックスレス後期になるのでしょうか?
「はい。
ここら辺で、“子供を作ろう”という話し合いがなされました。
“好きだからセックスをしたい”というよりは、目的が“子作り”で“セックスは排卵日にするもの”となってしまったんです。
周囲の妊娠や出産が相次ぎ、ちょっとした周囲の言動で落ち込んだり神経質になったりしていて、非協力的な夫に対して言い合うことも思うことも多く、大きな不安や焦りに悩まされていました。
この頃になってくると、初期や中期のような、レスに対して前向きな姿勢になることはほとんどありませんでした。」

『今日も拒まれています 〜セックスレス・ハラスメント 嫁日記〜』第1話より

“愛している”という言葉に勝ることもある、女性にとってのセックスの重要性

ーポレポレ美先生の場合、その後、セックスレスが解消されることはなかったっと伺っております。
先生の経験を踏まえて、“セックスレス”という問題に対して、男性側に伝えたいことはありますか?

「セックスはどうしても女性側が受け身になりやすく、また、レスに対してできることというのが限られているような気がします。
だからこそ、もし彼女や奥さんが“したい”と打ち明けた時には、相当深刻な状態なので、真剣に向き合って欲しいです。“したい”と言い出すのも“これを言ったらますます引かれるんじゃないのかな…”と悩みに悩んでの告白なので。」
ー女性側から“したい”という言葉があった時点で、その女性は既にかなり深刻に悩んでいる場合が多いということですね。
「私もそうだったのですが、精神的なつながりに重きをおく女性が多いせいか、レスになると“旦那や彼氏は私に愛情がなくなったんだ”と悩む方は多いです。
女性として否定されたような気持ちになるし、どんなに“好き”と言われても“じゃあなんでしてくれないの?”と落ち込むし、責めたくなってしまいますね。」
ー“したい”という言葉の裏側には、性欲ではなく、愛情や関係性への不安が隠されている場合が多いと。
「そうです。
行為があるだけで、“好き”という言葉をかけられなくとも愛されている実感がもてるし、“女性として見られているんだ”という自分への自信にも繋がります。旦那さんや彼氏に対して日頃の不満もイライラも少なくなる気がします(笑)。
セックスは最高のコミニュケーションとはよく言いますが、私もそう思いますし、時には“好き”“愛してる”という言葉に勝るものではないかなと思います。
“最近していない気がする”と男性が感じる頃には、女性は何かしらのサインを出していると思うので、些細な変化に気がついて欲しいです。
私のように、深刻な問題になる前に向き合って欲しいですね。」

女性側から“セックスがしたい”と言われた時は、愛情表現や日頃のコミュニケーションを振り返ろう

もし、女性側から“最近セックスしてなくない?”“久しぶりにセックスしたいな”という発言があった場合、ただ単に性欲が溜まっているということ場合よりも“愛されていないのかな”“女性としての魅力がないのかな”といった深刻な悩みが隠されている場合が多いです。
そのような発言をされたら“性欲が溜まっているのかな”と流すのではなく、自分の愛情表現や日頃のコミュニケーションに問題がないか、今一度考えてみてください。
また、ポレポレ美先生の言うように、“好き”“愛している”という言葉よりも、セックスの方が何倍も愛が伝わる時もあります。
“性欲が落ち気味”“忙しくてそれどころじゃない”という時も、相手のことを考え、セックスというコミュニケーションを大切にしましょう。


※ポレポレ美先生の漫画、『今日も拒まれています 〜セックスレス・ハラスメント 嫁日記〜』が気になる方は、無料で読める漫画アプリ、Vコミからどうぞ。