彼女に対してのプロポーズが終わり、始まるもの。
それが、彼女のご両親への「結婚の挨拶」。これは、世の男性にとって一世一代の大勝負です。
彼女の父親という「同性のビッグボス」に認められるべく、己の人生を賭けて門戸を叩く…。
そんな時にもし、
「ちわーす!〇〇の彼氏やらせてもらっていまーす!結婚の挨拶に来ましたー!よろリンスー!」
なんてことを言ってしまったら…
このように、ちゃぶ台をひっくり返され味噌汁のかかった服で帰るしかなくなってしまいます。
そんな間違いを起こしてほしくないSTAND編集部は、娘を持つ7人の男性たちに「結婚を許してしまう挨拶の仕方とシチュエーション」と「結婚を許せない挨拶とそのシチュエーション」お聞きしました。
これから、結婚の挨拶に行く方も、その予定がない方もぜひ娘を持つ父親の心理をご覧ください。
47歳 会社経営 「下さいはダメだ!」
− 結婚を許してしまう挨拶とシチュエーションを教えて下さい。
「私は、『娘さんと2人で幸せになろうと思います。結婚しますので見守っていてください』と言われるのがいいですね。理想のシチュエーションは、プロポーズしたその足で結婚の報告をしてくれたり、またはすぐに電話で伝えてもらうと嬉しいですよ。改まった挨拶は特に必要ないと思っています」
− 改まった挨拶はいらない変わりに必要なのはフットワークの軽さですね。結婚を許さない言葉や、シチュエーションはどうでしょうか?
「『娘さんを僕にください』ですかね。子供をモノみたいに言われるのが嫌だし、結婚するかどうかを決めるのは本人たちで、親がどうこう言ったり、許可するかどうか決めるという時代ではないと思うので。もし挨拶に来た時は、玄関で靴をそろえない。または、娘に揃えさせる。靴をそろえて上がれないという行動に人柄・育ちがすべて現れているので、そういう人とは出来れば一緒になってほしくないですね」
− 「下さい」はダメなんですね…。確かに少し引っかかります。
64歳 無職「特に言葉そのものにはこだわらない」
「私は、本人の誠実さと、娘を愛する気持ちが素直に伝わる言葉であれば、特に言葉そのものにはこだわりません。事前に来訪の趣旨を知らせておき、決まった日時に、どちらかというとフォーマルな服装で自宅へ娘に促されて挨拶に訪れ、簡単な自己紹介を行ったのち、上記のような誠実さと娘への愛情が感じ取れる言葉を述べることで完全に許してしまいますね」
− 言葉にこだわりはないんですか!愛と誠実さが大事なんですね。
「許せない挨拶やシチュエーションは、自己主張が強過ぎて、結婚を当然許してもらえるような言葉使いや、一時の感情ともとれる言葉では許可を躊躇します。本人の誠実さが感じられない言葉では許したくないです。例えば、事前の予約もなく、突然の訪問で、いきなり『娘さんをください』と言われても困ります。改まった姿勢が感じられない言動や、親しみやすさを通り越して馴れ馴れしい態度では御免こうむりたいです」
− 親しみやすさと馴れ馴れしいの境界線をしっかりひくことが大事。間違いないです。
45歳 会社員「2人で飲んでる時が一番弱い」
「一番くる言葉は、『お父さんが一生懸命育てられた○○さんはとても素晴らしい女性です。これからはお父さんに代わって私が命をかけて一生○○さんを守り抜きます。どうぞ結婚をお許しください』ですね。これなら許してしまいます。また、私は娘しかいないので、家族がいる前ではなく、二人だけで酒を飲んでいる時に『娘を愛している、一生かけて守っていきたい』と言われたらホロっときてしまいます。男同志でわかり合うと言った感じでしょうか…!」
− 二人だけで飲んでる時に言われるのは、たしかに説得力も響き方も段違いですね!!
「逆に、『○○さんと結婚をしたいと思っています。どうか認めていただけないでしょうか』などのありきたりな言葉は胸に来ないため、あまり許したくないと思ってしまいます。初めて会ってすぐに、家族がいる前で状況もわきまえず、『結婚を許してください』などという無粋な人間には結婚を許したくないと思ってしまいますね。ポイントは雰囲気と胸にくる言葉です」
− 準備とマナーは非常に大事だということか…!
48歳 広告デザイン「二人で飲んで共感すれば許す」
「私は、『○○さんを必ず幸せにします。そして、私も家族の一員として参加させて下さい』という感じがいいですかね。シチュエーションとしては、挨拶後に一緒に新郎と二人で近くの屋台に飲みに行き、私と娘の思い出話を聞いてくれて共感してくれると、きっと結婚を許してしまうと思います。娘がいない状況でも話が出来る相手だと、家族として迎えいれやすいですね」
− やはり、「男2人の時間」は非常に大事なんですね。
「許せないのは、『○○さんを下さい』と言う言葉は、私はダメかも知れません。下さいと言う言葉は、何か引っ掛かりますし、娘は物ではないと思ってしまいます。『○○さんと結婚させて下さい』の方が、家族の一員として受入れやすいです。嫌なシチュエーション挨拶の後に、恐らく酒盛りになると思います。人間はお酒を飲んだ時に態度も含めて本音が出ます。その時に、遠慮なく、飲み続けて、酔っぱらう人は私はダメです。場の空気を察して、飲み方を変えれる人は、普段の生活も自己管理出来ていると思えるからです」
− なるほど!「下さい」がダメなのは二人目です。NGワードに認定したいと思います。
50歳 SE「結婚前から家庭行事に参加すべし」
「んーやはり、『家族みんなが毎日お腹一杯の状態で寝ることができる家庭を作ります』が一番ですね。許してしまう条件はもう一つあって、家庭行事に積極的に参加し、結婚前から家族に馴染む努力をしている姿勢が見て取れたらすぐOKを出してしまいます」
− 家庭行事に参加すれば、たしかに距離は縮まりますからね。
「はっきり物事を言わず、真剣さも感じないような挨拶ならば許したくないです。内容については、真剣さと家庭を持つという覚悟が感じられればなんでもよいと思いますね。許せないのは、『不平や不満ばかりを言って娘を困らせる男性』です。全然違う家庭環境のものが一緒になるのだから不平不満は出て当たり前です。それを『相手の親に悟らせるようなことをしてしまう人間』ということは家庭よりも自分を優先するような人間の可能性が高いから、私は許しませんね」
− 結婚をしたら、自分を犠牲にして家庭を守るという意識が大事になってくるものですからね…!!
43歳 フリーランス「日常生活を垣間見れれば安心する」
「まず家に来たら『初めまして、○○と申します。□□さんとお付き合いさせて頂いています。お忙しいところお邪魔して申し訳ありません』。その後に、『お忙しいところ申し訳ありません。□□さんとの結婚について、ご挨拶させて頂きたいと思ってお邪魔しました。□□さんと結婚させて頂きたいと考えています。どうか、お許しいただけないでしょうか』という流れで、きちんとした挨拶であればいいですね。許してしまうシチュエーションは、自分、妻、娘、新郎(予定)と、新郎がある程度結婚について挨拶が終わったところで、とりあえず食事でもしながらと言いながら、お酒飲んだりしてるところで、娘が新郎(予定)と笑いながら話したりしているようであれば、きっと許します」
− 日常的な関係を垣間見ることができれば、たしかに安心しますよね。
「そうなんです。許せないのは『あ、おじゃましまーす。○○です。今□□とつきあってまして。今日は結婚の挨拶させてもらえるということで、お邪魔しました』というような軽い感じの場合は、許す許さないどころか、娘と一緒に説教して追い出します…!ちゃんとではなく、いきなり何処かでばったり鉢合わせたときに、結婚するつもりでーみたいな話をされたらちょっと許したくないですね。今その話を切り出すなと言ってしまいそうです」
− 常に軽い感じの男性だったとしても、然るべき所ではきちんとデキるのは必要なことですね!
39歳 会社員「誠意・熱意・情熱が伝わってきたらOK」
「まず身なりが清潔であること。そして、誠実に心を込めて娘に対する気持ちと将来のビジョンを伝えられたら嬉しいです。『私は〇〇さんを心の底から愛しており、将来に渡って私が幸せにしたい人です。どうか結婚させて下さい!』という感じであれば誠意、熱意、情熱が伝わってくるので受け入れます。自宅に来て和やかな雰囲気の中で言われると許してしまうと思いますね。そのためには、足繁く奥様方の自宅に通うことが大切だと思います」
− 足繁く通うことが大事。やはり日常的に相手の家族とコミニュケーションをとるということは非常に大きなポイントなんですね。
「許せないのは、茶髪でチャラそうな奴が軽い感じで『〇〇さんを下さい』と短文で言われたらあかんといってしまうと思います。突然呼び出されて知らん奴にいきなり娘さんを下さいって言われるようなシチュエーションだと許したくないかもしれません」
− 誠意、熱意、情熱が重要な点ですね。手塩にかけた娘の嫁入りの挨拶で、軽い感じに言われるのは許せないと思います。
「誠意とコミニュケーション、そして男同士のアツい契り」が大事だ!
皆さんにお話を聞き、一番印象に残ったのは挨拶のド定番「娘さんを僕に下さい」を不快に感じている方が多いということです。
結婚の挨拶において、リスクはなるべく消しておきたいもの。だからこそ、「下さい」というのはやめましょう!
編集部オススメの挨拶は誠意と熱意と感謝兼ねた、『お父さんが一生懸命育てられた○○さんはとても素晴らしい女性です。これからはお父さんに代わって私が命をかけて一生○○さんを守り抜きます。どうぞ結婚をお許しください』です!
そして、多くの方が挙げていた「コミニュケーション」。これは常日頃から「家族ぐるみ」の付き合いと「男同士の付き合い」をしておけば問題ないでしょう。
ぜひ、今回の7人の方達の意見を参考にして結婚の挨拶を成功させて下さい!