今回ご紹介する二人、タツオとナエタは同期入社のサラリーマン。
仕事でもずっとライバルだった二人ですが、30代半ばにしてひとつ差が生まれてしまいました。
ある日、ナエタがタツオにこんな相談をしてきたのです。
「最近全然ダメで・・・もしかしたらED(機能性勃起障害)になってしまったかもしれない・・・」と・・・。
落ち込むナエタを勇気づけるタツオですが、実はこのタツオも半年前までナエタと同様、ED予備軍だったのです。何が二人の道を分けたのでしょうか?
実はタツオは妻からの指示を受けて生活習慣を改善していたのでした。
そこで、今回は二人の生活習慣を自分自身に置き換えて見ていきましょう。
まるで生活習慣を見直すかのような記事ですが、最後まで読んでいただければその答えもわかると思います。
EDとは
EDとは機能性勃起障害と呼ばれるもので、勃起不全とも言われます。
主な症状としては、興奮しているのに勃起しない、勃起してもあまり硬くない、長時間持たない、勃起しない時もある、途中で柔らかくなってしまう(通称:中折れ)といった状態です。
原因としてはストレスや不安、加齢、そして生活習慣が大きく影響すると言われています。
ストレスや不安が原因ならば、心因性EDと呼ばれ、自身でのストレス発散や精神科での治療が効果的と思われます。
人によっては、ちょっとした気分の変化でいつの間にか治ってしまうかもしれません。
加齢に関しては、だれもが避けられない問題ですが、人によっては生涯現役という方もいらっしゃいます。
30代であるタツオとナエタにとっては、加齢が原因とは考えにくいですよね。
そして最も危ぶまれるのは、生活習慣です。EDは生活習慣病が原因となりやすい病です。
なぜなら勃起は海綿体に十分に血液が満たされていないと維持できません。血液や血管の状態が悪ければ、それだけEDになる可能性が高くなります。
EDと食事
EDはペニスへの血流が血流が悪いと悪化していくと言われています。これと血流障害と言います。
そのため、EDになりやすい食生活は「高カロリー」「高塩分」「高脂肪」と思われる食事です。
これらは、高血圧や動脈硬化、腎機能障害や心疾患などを招き、ペニスへの血流も悪化させます。
一方で、ED改善に効果的な成分と言われているものも沢山あります。
・亜鉛
亜鉛はED解消だけでなく、精子の生産を促進させます。
亜鉛が多く含まれている代表的な食べ物は、牡蠣や煮干し、豚レバーや卵黄、胡麻などです。
亜鉛と共にタンパク質やミネラルを摂取すると、より精子の生産が促進されるでしょう。
・アルギニン
アルギニンは血行や免疫力に影響をあたえ、血流改善や疲労回復が期待できます。
勃起不全だけでなく、身体が疲れていてセックスをする体力が残っていないという方には重要でしょう。
こちらはアーモンドやしらす、エビ、カツオなどの魚介類、胡麻や高野豆腐などに多く含まれています。
・ビタミンE
ビタミンEは生殖機能の改善や血行促進だけでなく、更年期障害にも効果を期待できます。
あゆやいわし、うなぎ、アボガド、アーモンドなどに多く含まれています。
・シトルリン
シトルリンは血流改善や疲労回復、勃起力の回復などの効果を期待できます。
こちらキュウリやゴーヤ、ヘチマなどのウリ科の食材に多く含まれています。
・アリシン
アリシンとはニンニクに多く含まれている成分です。
昔から「精力回復にはニンニク!」と言われていますが、アリシンは血流改善や疲労回復の効果を期待できるため、そのように言われるのでしょう。
・タウリン
タウリンも血流改善や疲労回復に効果を期待できる成分です。
タコやイカ、牡蠣、カツオやサンマなどの魚介類に多く含まれています。
・ムチン
ムチンはネバネバな食材に多く含まれている成分で、疲労回復効果が強く期待できると言われています。
山芋や納豆、オクラやモロヘイヤ、ナメコなどに多く含まれています。
ナエタとタツオの場合
▼ナエタ
朝:白米 味噌汁 ベーコンエッグ 昼:かつ丼セット 夜:豚骨ラーメン
▼タツオ
朝:白米 具だくさんの味噌汁 納豆 切り干し大根 昼:サバの味噌煮定食 夜:皿うどん
ナエタは肉中心の食生活のうえ、塩分過多ですね。これではカロリーもコレステロールも多すぎるし、高脂肪、高塩分となっています。つまりEDになりやすい食生活と言えます。
一方で、タツオは豆や青魚、野菜をバランスよくとっています。味噌汁は具だくさんにすることで薄味でもおいしくいただけます。
魚介類、豆類はEDに効果のある成分が多いので、タツオの妻が意識して食べさせているのでしょう。
飲酒とEDの関係
性行為をする際、アルコールを多く含んでいるシチュエーションが多いと思われます。
少量であれば気分の高揚やリラックス効果もあるので、心因性のEDには良い影響を当たるかもしれません。
しかし大量にアルコールを摂取していると、脳の中枢神経を抑制するし、高血圧や心疾患、糖尿病、脳梗塞の原因となり、食生活としては好ましいものではありません。
またED治療薬もアルコールの影響を受けることがあると言われています。
ナエタとタツオの場合
ナエタは会社の付き合いもあり、週に2回飲みに行き、家でも毎日夕飯の揚げ物でビールを飲んでいます。外では1回の飲みで平均してビールをグラスで3杯とウイスキーをダブルで2杯飲みます。
タツオも週に2回飲みに行きますが、妻との決まりでビールをグラスで2杯までです。家でも毎日は飲まず、週に1日は休肝日を設けています。つまみは冷奴や枝豆などです。
適量とされる1日の飲酒量はビールなら中瓶1本まで、ウイスキーならダブルで1杯までとなっているので、ナエタは明らかに飲みすぎです。
ちなみにお酒のつまみは、揚げ物より豆類を選べばアルコールの分解を助けます。
EDと運動
高カロリーや高脂肪、体力の低下などを改善するには、運動も重要でしょう。
20代の頃はあまり気にしなかったかもしれませんが、30代になると意識的に運動しないと、どんどん体力が低下し、勃起不全を招くような食生活になりやすいかと思われます。
特に下半身を鍛える運動が効果的なので、ジョギングやマラソン、スクワットなどがおすすめです。
ナエタとタツオの場合
ナエタに運動する習慣はなく、通勤でも迷いなくエスカレーターに乗ります。
タツオは週1回ですがジムに通ってジョギングをしています。意識して階段を使うようにしています。
慢性的な運動不足は全身の臓器や器官の働きが低下する原因です。
適度な運動は善玉コレステロールを増やし動脈硬化の予防になります。平日は忙しく休日は寝て過ごすというライフスタイルだとなかなか運動にこぎつけずナエタのようになりがちですが、「運動しなければ」という意識を常に持っておくこと。
「目指せ!1日2万歩」
EDと喫煙
喫煙はよく知られている通り、心臓病の危険因子のひとつです。血管を傷つけて動脈硬化を促進させ、血管を収縮させるのです。
煙草は「百害あって一利無し」と言われている通り、好ましい食生活からは程遠い存在なので、できれば禁煙、難しければ量を減らしたほうが良いでしょう。
ナエタとタツオの場合
ナエタはヘビースモーカーというわけではありませんが、1日1箱の習慣を20年以上続けてきました。
タツオも同様でしたが、つい半年前に禁煙外来に通い始め、禁煙パイポに替えました。
ナエタはこのままだと、脳梗塞や心筋梗塞を起こすかもしれません。
一方でタツオは、禁煙を開始したため、徐々に回復していく可能性が高いでしょう。
まとめ!EDは最初の生活習慣病
以上が、ナエタとタツオ生活習慣の違いでした。
ここまで読んだ方はこう思われたかもしれませんね。「あれ?これって生活習慣病についての記事だっけ?」と。
もちろん違います。EDになってしまったかもしれないナエタと、元気なタツオの違いです。
ならばなぜ、まるで生活習慣病対策のような内容なのでしょうその理由は、生活習慣病とEDは根強い関係を持っているからです。
EDは一番最初の生活習慣病とも言われます。つまりEDになる場合、その後も連続して糖尿病や高血圧、そして最終的には脳卒中や心臓病になるリスクが高いのです。
ナエタはEDかもしれないと、早い段階にで気付いたことで生活習慣病を未然に防ぐきっかけを得られたとも言えます。
さて、この記事を読んだあなたはどうしますか。
いきなり食生活を改め、酒を控えろと言われても難しいでしょう。
タバコをやめて、運動の習慣をつけるのは簡単ではないでしょう。
しかしEDになるかならないか、そして生活習慣病になるかならないかはあなたの普段の習慣にかかっているのです。